骨粗しょう症
骨粗しょう症

骨粗しょう症は、加齢や女性ホルモンの減少などによって骨の量が減り、骨がスカスカになって脆(もろ)くなり、骨折しやすくなる病気です。
初期段階では自覚症状がほとんどないのが大きな特徴です。
「背中が曲がってきた」「身長が縮んできた」「ちょっと転んだだけで骨折した」といった症状が現れた時には、すでに病状が進んでいる可能性があります。
日本には約1590万人(2022年)の骨粗しょう症患者さまがいると言われており、高齢化に伴い骨粗しょう症による骨折は今後も増加すると予測されています。
「糖尿病」や「高血圧」、「脂質異常症」などは健康診断で比較的指摘されやすい生活習慣病ですが、「骨粗しょう症」は骨折を経験するまで指摘されにくく、治療されている方の割合はなんと「15%」です。
当院をきっかけに少しでも多くの方が骨粗しょう症の検査・治療を始めていただけることを願っています。
(当院の名称「骨粗しょう症リハビリクリニック」には、骨粗しょう症の啓発をしていきたいという思いがあります。)
当院では、骨粗しょう症の早期発見・早期治療だけでなく、「骨折を起こさせないための予防とリハビリテーション」に力を入れています。
骨粗しょう症診断のゴールデンスタンダードであるDEXA(デキサ)法を用いた精密な骨密度測定を行います。
腰の骨(腰椎)や太ももの付け根(大腿骨)の骨密度を直接測定することで、正確な現状把握と治療効果の評価が可能です。
当院では従来の骨密度検査でわかる「骨密度」に加えて、「骨質」の評価をおこなえるソフトウエア(TBS iNsightTM)を導入しており、通常の骨密度検査を受けていただく際に、一緒に結果が分かります。
「骨強度」=「骨密度」+「骨質」と言われており、両者にフォーカスを当てた検査ができます。
骨密度や骨代謝マーカー(血液検査)、過去の骨折歴、既往歴などを考慮し、患者様ごとの状態に最適な飲み薬や注射薬(骨吸収抑制薬、骨形成促進薬など)を提案・選択します。
骨を強くするためには、適切な運動負荷が不可欠です。当院では理学療法士がマンツーマンで、骨刺激を与える運動や、転倒を防止するためのバランス訓練・筋力向上トレーニングを指導します。
当院では、骨粗しょう症学会のガイドラインで推奨されているDEXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)法を導入しています。
2種類の異なるエネルギーのX線を使用し、骨の量を非常に高精度で測定する検査方法です。
骨粗しょう症の治療では、お薬による薬物療法と同じくらい「身体を動かして骨に刺激を与えること」と「転ばない身体をつくること」が重要です。
理学療法士が患者様お一人おひとりに合わせたマンツーマンのリハビリテーションを提供します。
| アプローチ | 具体的な内容・効果 |
|---|---|
| 骨を強くする 「骨刺激運動」 |
骨は力学的な負荷がかかることで強くなる性質(ウォルフの法則)があります。 適度な自重トレーニングや足踏み運動など、骨に心地よい刺激を与える運動を段階的に指導します。 |
| 転倒を防ぐ 「バランス・ 筋力訓練」 |
骨粗しょう症で最も避けるべきは「転倒による骨折」です。 下半身の筋力(体幹・太もも・ふくらはぎ)を強化し、つまずき防止や体幹バランス能力を高めるトレーニングを行います。 |
| 日常の負担を 減らす 「姿勢・動作 指導」 |
背骨への圧迫骨折を防ぐため、日常の立ち座り・物の持ち上げ方・背筋を伸ばした姿勢の維持方法など、生活の中で骨を守る動作パターンを身につけます。 |
問診・診察
現在の症状や生活習慣の確認。日頃の生活習慣や既往歴、背中・腰の痛みの有無などをお伺いし、診察を行います。
精密検査
DEXA法による正確な計測。腰椎および大腿骨の骨密度を測定します。必要に応じてレントゲン検査や血液検査を行います。
結果説明と治療方針のご提案
データに基づく分かりやすい解説。検査結果をご説明し、目標とする骨密度や治療プラン(内服・注射・運動療法)を一緒に決定します。
定期的な治療と再評価
継続的なフォローアップ。お薬の服用やリハビリテーションを継続しながら、定期的に骨密度を再測定し、効果を確認・評価していきます。
骨粗しょう症は「歳だから仕方ない」と諦める病気ではなく、適切に治療・予防ができる時代になっています。
勤務医時代は「骨粗しょう症の治療をしていれば、骨折を防げたかもしれないのに」と思うことが多々ありました。
骨折をされて病院受診される患者様は「自分が骨粗しょう症である」とは全く思わずに日常生活を送られていることが非常に多いです。
健康寿命を延ばし、いつまでもご自身の足で元気に歩き続けるためには、骨折を防ぐことが何より大切です。特に女性は閉経に伴い急速に骨量が低下しやすいため、50歳を過ぎたら一度骨密度検査を受けることをお勧めいたします。
「当院をきっかけに骨密度検査をしてみたい」「骨の健康状態を知りたい」など、どうぞお気軽にご相談ください。
日本には約1590万人(2022年)の骨粗しょう症患者さまがいると言われており、高齢化に伴い骨粗しょう症による骨折は今後も増加すると予測されています。
骨粗しょう症は骨強度(骨の強さ)が低下して骨折しやすい状態になりますが、この骨強度は、骨量の指標となる「骨密度」と、骨構造などの「骨質」の要因によって決まります。
女性の骨量は、成長期に増加し20歳頃に最大骨量に達します。40歳代に入ると卵巣機能が衰え始め骨量が減少してきます。
閉経前後の50歳頃からは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に低下し、さらに骨量の減少をきたします。
エストロゲンは、破骨細胞(古い骨を吸収する細胞)と、骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)の両方に作用します。
閉経に伴いエストロゲンが欠乏することで、破骨細胞による骨吸収が亢進して、骨量が減少すると考えられています。
また、ダイエットや偏食(カルシウム摂取不足)、運動不足、日光照射不足、喫煙、過度のアルコール摂取などの生活習慣も骨粗しょう症の原因となります。
生涯を通じての骨粗しょう症の予防は、獲得する最大骨量を多くして、骨量減少を最小限にとどめることを基本とし、生活の中で除去できる危険因子を早期に取り除くこと、といえます。
骨粗しょう症の診断は、骨粗しょう症に特徴的な脆弱性骨折(ご本人が自覚していない骨折)の有無、および骨密度の数値などを参考にして行います。
診断がつけば、他の疾患が原因となっていない原発性骨粗しょう症なのか、あるいは疾患が原因となっている続発性骨粗しょう症なのかを鑑別し、その結果をもとに治療方針を検討します。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がなく、発症し進行するケースがほとんどです。
背中や腰に痛みを感じたり、身長が縮んだりといった自覚症状が出た時には、かなり症状が悪化していることがあります。
早期の診断と治療がとても重要です。骨密度検査は、骨の健康を知るうえで重要な手がかりとなります。
骨粗しょう症はタイプによって治療に用いる薬剤が異なります。
閉経後で骨折リスクが高い(骨密度が低い)方は、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM:selective estrogen receptor modulator:エストロゲンを補う薬剤)やビスホスホネート製剤(骨の吸収を抑える薬剤)が用いられます。
骨折リスクの低い方には、活性型ビタミンD3製剤やSERMを用いるケースが多くなっています。
骨折リスクが高い方は、PTH(副甲状腺ホルモン)製剤や抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ)が用いられることがあります。骨吸収を抑えるだけでなく、骨形成を促進する治療薬があります。
患者さまの年齢や病態に応じて治療薬を選択します。
骨を強化する生活習慣のポイントは、食事・運動・日光浴です。良い習慣を身につけて、骨粗しょう症を予防しながらイキイキとした毎日を送りましょう。
骨密度を増加させるためにはカルシウムの摂取とともに、カルシウムの吸収を促進するビタミンDや、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなどの栄養素も必要です。
エネルギーと栄養素を過不足なく摂取することがポイントになります。
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